高知インターナショナルビジネスの宮尾です。
技能実習生についてご説明いたします。
〇在留資格「研修」について
高度経済成長期を迎えたころ、多くの日本企業が海外に進出して事業を展開しました。
その結果、業務を円滑にするために現地の外国人に対する研修をどのように行うかが課題となり、発足したのが「外国人研修制度」です。
〇技能実習制度について
在留資格「研修」を持ち活動している者は、
- 研修成果(日本語による学科試験及び実技試験)
- 技能実習計画
- 在留状況
の評価をクリアし、地方入国管理局より在留資格の変更が認められれば在留資格が「研修」から「特定技能」に変更され、研修生から技能実習生に移行されます。
【企業単独型と団体管理型】
企業単独型・・・企業が単独で外国人労働者を受け入れる研修制度
団体管理型・・・中小企業が中小企業団体を通じて外国人研修生を受け入れる研修制度(1990年に改正された)
企業団体型から団体管理型になったことによって汎用性の高い技術等が移転されやすくなり、事業の活性化に役立つようになりました。
●研修・技能実習の実施機関や管理方法の違いから、企業単独型と団体管理型で区分しています。
●企業単独型は本邦の公私の機関の外国にある事業所又は事実上の関係を有する事業所の職員などの在留資格「技能実習イ」又は「技能実習2号イ」が該当します。
団体管理型は営利を目的としない団体の責任及び管理下による「技能実習1号ロ」又は「技能実習2号ロ」が該当します。
〇「研修」と「技能実習」の違い
在留資格「研修」の場合、講義形式で研修を受けますが、「技能実習」では講義に加えて実習を行います。
さらに、技能実習の修得段階を「技能実習1号」、習熟段階を「技能実習2号」といいます。
在留資格を「技能実習1号」から「技能実習2号」にする際は、厚生労働省へ変更申請をします 。
技能実習制度推進事業運営基本方針 に基づく事業の実施機関による評価が参考とされています。
詳しくは下記のリンクをご覧ください。
3.◇170714_技能実習制度推進事業運営基本方針 (mhlw.go.jp)
〇出入国管理及び難民認定法の改正
発足当時は研修・技能実習生が低賃金労働者として受け入れられている傾向があったため、出入国管理及び難民認定法が大幅に改正され、研修・技能実習生の法的保護及び法的地位の安定化を図るための措置が講じられるようになりました。
〇関係機構について
①公共財団法人国際研修協力機構(JITCO)
【目的】
外務、厚生労働、経済産業、国土交通の5省共管により設立された財団法人で、外国人研修・技能実習制度の適正かつ円滑な推進に寄与すること。
【役割】
1,研修生・技能実習生の受け入れを行おうとする、あるいは行っている民間団体・企業等や諸外国の送り出し機関・派遣企業に対し、総合的な支援・援助、適正実施の助言・指導を行うこと
2,研修生・技能実習生の悩みや相談に答えるとともに、入管法令・労働法令等の助言・援助を行うこと
3,国際的な人材育成が図られるよう管理団体・実習実施機関、研修生・技能実習生、送り出し機関等を支援すること
②財団法人海外産業人材育成協会(HIDA)
【目的】
財団法人海外技術者研修協会(AOTS)と財団法人海外貿易開発協会(JODC)が合併して作られた財団法人で、日本国と海外諸国の発展及び友好関係の増進に寄与すること。
【役割】
1,国内外の産業及び人材の育成に必要な研修生等の受け入れ及び研修・専門家等の派遣・人材に関する調査等
2,国内外の人材の育成に必要な施設の管理及び運営
3,開発途上地域における産業の育成に資する日本の中小企業の海外投資の円滑を図るために必要な資金貸付及びこれに関連する調査
③商工会議所
【目的】
「商工会議所法」に基づき設立された非営利の法人組織で、国際経済の進展に寄与すること。
【役割】
各地の商工会議所全てを会員とする中央機関として設けられている「日本商工会議所」では、全国の商工会議所を統合調整し、その意見を代表し、国内外の経済団体と提携することにより、商工会議所の健全な発達を図り、商工業の振興を図る。
④事業協同組合
【目的】
中小企業が互いに協力し、共同で事業を行い、経営の近代化・合理化と経済的地位の向上・改善を図る。
~株式会社、事業協同組合、協同組合の違い~
株式会社 | 営利法人であり、理念・目的は利潤追求。経済合理性を重視し、組織は資本で成り立っている。 |
事業協同組合 | 中間法人であり、理念・目的は相互扶助(共同して事業を行うこと)。経済合理性と人間尊重を重視し、組合は組合員で成り立っている。 |
協同組合 | 非営利の相互扶助組織であり、理念・目的は相互扶助。組合員の事業上の諸問題の解決と経営の近代化・安定合理化・経済的地位の改善向上を図ろうとする組織。 |
〇上陸審査の要件
入管法第7条により、外国人が日本に上陸するための5つの条件が定められています。
①有効な旅券及び査証を所持していること
②申請に係る日本で行おうとする活動が虚偽でないこと
③日本で行おうとする活動が入管法に定める在留資格のいずれかに該当し、上陸基準のある在留資格についてはその基準に適合すること
④滞在予定機関が在留期間を定めた施行規則の規定に適合すること
⑤入管法5条に定める上陸拒否事由に該当しないこと
☆入管法5条(上陸拒否事由)とは
- 保険・衛生上の観点から上陸を認めることが好ましくない者
- 反社会性が強いと認められることにより上陸を認めることが好ましくない者
- 我が国から退去強制を受けたことにより上陸を認めることが好ましくない者
- 我が国の利益または公安を害する恐れがあるため上陸を認めることが好ましくない者
- 相互主義に基づき上陸を認めない者
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